2009年03月19日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 3341 count

送電線趣味の大家・サルマル ヒデキさんと飲む・話が驚くほど噛み合って大変

Written By: 川俣 晶連絡先

 昨日は、送電線趣味の大家・サルマル ヒデキさんと、もう1人、共通の知人の方と飲みました。

 もちろん私は飲めないからアルコールは飲んでいませんが。

 ちなみに、サルマル ヒデキさんは「東京鉄塔―ALL ALONG THE ELECTRICTOWER」という送電線趣味の本を出版している方です。

意外と噛み合った趣味 §

 サルマルさんの送電線趣味は、単に鉄塔を追いかけていくだけのものではありませんでした。

 鉄塔のスタイルを分類し、「このスタイルはXX年以降でしかあり得ないので、鉄塔に付けられているプレートの年月は違っている」といったことまで考えます。

 また、戦前の東京は多数の電力会社に分かれて電力が供給されていたので、現在見ると明らかに合理的ではない変電所や送電線の配置もあるそうです。

 そして、撤去されて無くなった送電線の跡地を探索するような行為も行うそうです。

 つまり、鉄塔が建っていた四角い土地を探して歩くわけです。

 今はもう無い送電経路の推定も行うそうです。

 このあたりまで来ると、暗渠趣味とまさに大差ないと言えます。

 地図を熱心に見るのも同じ。

 また、初期の私鉄は電力事業も行っていたので、送電網の一部は鉄道網と重なる部分があります。たとえば「昔の京王」といったキーワードでいろいろと話ができてしまいます。

 趣味的に別のものを扱っているのに、話が噛み合うのがとても不思議な感じでした。

意外と趣味が近いサルマルさん §

 更に言えば、このサルマルさんという人も、送電線に限らずいろいろなものに興味を持っていて、新宿西口にあった東京生命球場や、十二社(じゅうにそう)、京王線新宿付近にあったSカーブ、代田連絡線などの話題も喜んでくれました。

 また、曙橋の「策(ムチ)の池」については、国土交通省のダム担当の局長がよく知っていて、かつてそこには小さなダムがあったということを、その場で答えたという逸話を紹介してくれました。お役所の技官には凄い人がいる、という話でした。

ジャンルをクロスオーバーで分かること §

 電力の地下送電網の詳細は情報が伏せられていると言います。

 もし何か工作が行われると、被害が大きすぎるからでしょう。

 そこで連想されるのが、上水です。東京都は、下水道網はネットで容易に調べられますが、上水は調べられません。毒でも入れられると被害が大きすぎるからでしょう。

 というところで気付きました。

 電力と上水の情報はネットで調べられないのに対して、下水道は調べられるわけですが、下水道は電力と上水に比べて何かあっても被害が少ないから公開できるのではないかと。

 複数のジャンルをクロスオーバーすることで、何となく見えてきた新しい世界像です。

 ちなみに、川に沿って空中には送電線の幹線があり、地下には下水道の幹線がある、という興味深い状況があることも分かってきました。

だがしかし…… §

 本当に面白い話は、ここには書けないようなことばかりだったかも…… (汗。

今後について §

 送電線を主たる趣味にする予定はありませんが、これまでよりも注意を払って鉄塔を見ていくことになりそうです。それを通して新しい発見があるかもしれません。

下高井戸周辺史雑記